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体と心の栄養を見直して「ウインター・ブルー」を予防する

SUMMARY

  1. ・なぜ冬になると、気持ちが安定しないの?
  2. ・こんな症状がある人は「ウインター・ブルー」の可能性が
  3. ・まずは、予防。そして万が一の時は、しっかり休息を
  4. ・まとめ


皆さんは、「ウインター・ブルー」という言葉を聞いたことはありますか?
冬になるとやる気が起きない、悲しくて憂鬱な気分になる、以前は楽しかったことに興味がわかない…このような気持ちの落ち込みは、冬ならではの季節性うつ「ウインター・ブルー」と呼ばれています。

症状や度合いは人それぞれですが、決して気のせいではなく、その人自身のせいでもありません。実はちょっとした対策で予防できることもあるのです。

だれにでも起こり得る「ウインター・ブルー」。その原因とそのメカニズム、そして対処法をアルゴメディカルサロンの管理栄養士である長谷川由季さんに伺いました。


なぜ冬になると、気持ちが安定しないの?

「心の安定には、実は日照時間が関係しています。12月~1月は1年の中でも最も日照時間が短い時期。すると幸せホルモンと呼ばれているセロトニンの分泌が少なくなり、安心感や幸福感が感じづらくなり、気分の落ち込みに繋がってしまうのです。セロトニンは体内時計を司り、眠りを呼ぶメラトンというホルモンの材料でもあります。セロトニンが減ることでメラトニンも減り、質の良い睡眠が得られなくなると身心の健康に影響が生じます」と長谷川さん。

こういったホルモンバランスや神経伝達物質の減少は、本当に些細なもので、なかなか気づくことはできないそう。

「特に月のリズムによって不調を感じやすい女性と違って、男性のほうが影響を受けやすい傾向にあるようです」

また日照時間の少ない北国も発症が多く見受けられるそう。


こんな症状がある人は「ウインター・ブルー」の可能性が

「ウインター・ブルーは、誰の身にも起こること。そしてできるだけ早く気づくことが大切です。まずは以下のチェックリストに当てはまるものがないか、確認してみましょう」(長谷川さん)

✔気持ちが不安定になる✔目の前のことに集中できない✔無気力✔倦怠感がある✔自然と涙が出てくる✔何をやっても楽しくない✔活力がわかない

上記が一つでも当てはまる人は、「ウインター・ブルー」に陥っている可能性があります。特に仕事だけでなく、プライベートでも該当する場合は、かなり症状が進行している場合も。


まずは、予防。そして万が一の時は、しっかり休息を

「ウインター・ブルー」を予防するためには、毎日の生活に鍵があるそう。長谷川さんに、いくつかポイントを伺いました。



規則正しい生活

「日照時間が短い冬は、どうしても時差ぼけのような状態に近くなります。朝昼晩、規則正しく食事を摂ることによって『今は朝だよ』『昼だよ』『夜になったよ』と体にサイクルを教えてあげることが大切です」


日光を積極的に浴びる

「そもそもの原因が日照時間の短さにあります。晴れた日は屋外に出て太陽の光を思いっきり浴びましょう。そうすることで幸せホルモンのセロトニンが分泌されやすくなります」
ちなみに同じ光でも部屋の照明では全然足りないそう。


トリプトファンを多く含む食事をとる

「セロトニンの材料となるのが、必須アミノ酸の“トリプトファン”。体内での生成ができないので、食事で摂るしかありません。食材では、鶏肉、豆腐、納豆に多く含まれます。そのほかビタミンB群、ビタミンD、マグネシウムも一緒に摂ると良いでしょう。特に日光を浴びることで生成されるビタミンDは、夏よりもたくさん摂ってください」


深呼吸をする

「寒いとどうしても呼吸が浅くなりがちです。浅い呼吸は自律神経の乱れにつながり、さまざまな不調の原因になります。一日に何回かは深呼吸を心がけましょう。それだけでもずいぶんとリラックスできるはず。特に不安を感じたときには効果的です」

「すでに自覚症状があり、つらいという人は、まず休みましょう。そして栄養バランスのとれた食事をしっかり摂ること。また近年注目されているのが“積極的休養”です。疲れている時こそ、あえて体を動かしてみる。そうすることで血流が改善され、疲労物質が効率的に排出されます」

さらに自分なりのリラックス法を見つけることも大切。

「好きなことをしていると、仕事をしている時とは違う部分の脳が使われると言います。そのようにして脳を休めることも大切です」


まとめ

冬ならではの「ウインター・ブルー」は、春に向けて日照時間が長くなると、解消されることも多いそうです。とはいえ、冬の間も健やかに過ごしたいですよね。生活のリズムを整えて、しっかり栄養を摂る、そして太陽の光を浴びるなど、まずはできることから始めてみましょう。




長谷川由季さん
アルゴメディカルサロン・管理栄養士。体調に悩みを抱えている方や、健康状態に悩みはないが、更なる自分への投資としてパフォーマンスアップを望む方など、一人ひとりと向き合い、それぞれに合ったオーダーメイド医療を一緒に作っていくアルゴメディカルサロンで、栄養部分での細かな指導に当たっている。



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