記事を検索

老け見えが加速する!「秋くすみ」の原因と対策は?

SUMMARY

  1. ・「秋くすみ」の原因は複雑。さまざまな要素が絡んでいる
  2. ・摩擦を避けて、保湿を徹底させることが一番
  3. ・温活を意識した食生活で、血流をしっかり促して
  4. ・まとめ

めっきりと気温が下がり、朝晩の冷え込みが厳しい日も多くなってきました。
空気も乾き、肌の調子も少し前とは違うと感じることも多いのではないでしょうか。

この時季、意外と悩まされるのが肌のくすみ。
秋ならではのくすみについて元麻布スキンクリニック院長の田中志保先生に伺いました。
「肌がくすむと、それだけで老けたり、疲れて見えてしまいます。しっかりお手入れしていきましょう」(田中先生)
 

「秋くすみ」の原因は複雑。さまざまな要素が絡んでいる

私たちの肌色は1年を通して変化しています。普通にケアをしてダメージを受けていない状態だと8〜9月がいちばん濃く、10月くらいから春先に向かって白くなっていくそう。
だからこそ、肌トーンのターニングポイントとなる今の時期に、くすみの原因を押さえてお手入れをしておくことが大切だと言います。

「秋のくすみの原因のひとつは、夏のダメージ『日焼け』です。夏の日焼けによりメラニンが蓄積され、それが定着して秋口にかけて肌はくすんできます。ただ夏に増えたメラニン量は元に戻るので、UVケアやダメージケアをきちんとしていた人は、そこまで気にすることはないでしょう」と田中先生。
 
さらに、秋のくすみには、気候の変化が大きく関わっています。そこで意識してケアしておきたいのは、肌の乾燥と血流です。
「皮膚の表面の水分が逃げていくと、光の反射の状態が変わってきます。リフレクション効果が弱まり、ツヤが失われて、くすんで見えやすくなるのです」
 
また、気温の変化も肌色に影響を及ぼします。「寒くなってくるので体温自体も下がり、血流が悪くなってくすみやすくなってきます。肌の乾燥も相まってターンオーバーが乱れ、ツヤと透明感が失われてしまいます」
 

摩擦を避けて、保湿を徹底させることが一番

保湿を徹底することも大事なポイント。
「先ほど肌の乾燥は『秋くすみ』の原因のひとつと言いましたが、肌は洗ったその直後から、どんどん水分が蒸散してしまいます。化粧水、クリームでしっかり保湿してあげましょう」
メイクをていねいに落としたら、化粧水とクリーム(または乳液)でていねいにスキンケアをする…肌に乾く隙を与えないことが重要です。
 
さらに毎日のケアで知らず知らずのうちに肌をくすませていることも…。
それが摩擦です。
「私たちの顔の肌は日々摩擦にさらされています。摩擦は乾燥の原因となるだけでなく、肌に慢性的な炎症を引き起こし、色素沈着を起こす原因に」
マスクによる摩擦が気になりますが、それ以外にも日常生活のあらゆるところで摩擦の危険が潜んでいるそう。
「コットンで肌をこすりすぎていないか、日焼け止めやファンデーションを塗るときの力が強すぎないか、洗顔後、タオルで顔を拭くときゴシゴシしていないか…今一度確認してみてください」
 
「洗顔時の温度も大きなポイントで、熱すぎると肌は乾燥し、冷たい水だとジェルのクレンジング剤などは落ちにくく、こするなどをして摩擦の原因となります」
正解は、“ぬるま湯”。
すすぎの回数は20〜30回をめどとし、それ以上は避けましょう。
 

温活を意識した食生活で、血流をしっかり促して 



冷えや鉄分不足、運動不足などを放置しておくと、血行不良になりやすいので、この時期温活を意識することが大切、と田中先生。
「特に平熱が低い、冷えがあるという人は、血行不良によって顔がくすんで見えがちになります。体温を上げることを意識しましょう」
 
具体的には、入浴などで体を温め、しっかり睡眠をとること。
食事面では冷たいものを食べたり飲んだりせず、できるだけ温かい食事を心がけること。ショウガ、ネギ、スパイスなど体を温める効果のある食材を意識して取り入れることも大切です。
 
「患者さんでショウガチューブを持ち歩いて何にでも入れていた方がいらしたのですが、1年ほどで体温が35度代から36度代に1度ほど上がり、肌がとてもきれいになりました」
体を温めて血流をよくすることで肌のターンオーバーが正常に行われ、くすみ解消だけでなく美肌にもつながるのです。
女性は鉄分不足になりがちなので、鉄分の吸収を助けるビタミンCを上手に取り入れることもおすすめです。
 

まとめ

肌の摩擦を避け、ていねいなスキンケアと温活を心がける…毎日のちょっとした心がけによって「秋くすみ」は解消できます。肌に透明感とツヤが戻ってくると、それだけで若々しく、健康的な印象に。
本格的な寒さの前に今一度、お手入れと食生活を見直してみませんか? 
 

 


田中志保先生
皮膚科医。大学病院や皮膚科クリニックの勤務医を経て、2022年に元麻布スキンクリニックを開設。不自然なアンチエイジングではなく、年齢に応じた自然な美しさを大切にしながら、心も体も元気になるような治療に多くの人が信頼を寄せている。