
日本に学ぶ癒やしと綺麗の智慧 Vol.6 千葉県・鴨川市
SUMMARY
- ・海も山も近い自然豊かな首都圏の穴場オアシス
- ・日本でスリランカ式のアーユルヴェーダを体感する
- ・まとめ
温泉+スリランカ式のアーユルヴェーダで疲労回復
世界中のホテルスパを取材し、各地の健康や美のルーツを体験し続けている、トラベル&スパジャーナリストの板倉由未子さんが執筆するコーナー。
今年は毎月、日本の1地域にフォーカスを当て、その土地に根づく“おばあちゃんの知恵袋”的なウェルネスメソッドを、温泉やスパトリートメント、文化体験などから紐解いていきます。
その土地の健康法や癒やし、滋味あふれる食事について探りながら、日本を一緒に旅してみませんか?
今回は、千葉県・鴨川市にある「亀の井ホテル 鴨川」についてです。スリランカにはゆかりが深いという板倉さん。今回は日本で、魅力的なスリランカ式のアーユルヴェーダトリートメントを体験されたそうです。
※昨年の『世界に学ぶ癒やしと綺麗の智慧』vol.6スリランカ・ニゴンボもチェック!
海も山も近い自然豊かな首都圏の穴場オアシス
東京から車に乗り、約2時間。房総半島の南東部に位置する千葉県・鴨川市。温暖な気候に恵まれ、南国ムードがあふれています。海のイメージが強い鴨川ですが、愛宕山や清澄山といった山岳にも恵まれ、緑も豊かです。また、日蓮聖人の生誕地で、総本山として建立された誕生寺を始めとした寺院や歴史的な建造物もあふれたスピリチュアルな土地でもあります。
鴨川では、2022年7月にリブランドオープンした「亀の井ホテル 鴨川」に滞在してみてはいかがでしょう。館内には2つの温泉大浴場、太平洋を望む「天空の湯」と庭園を愛でる「松風の湯」があります。お湯は弱アルカリ性の含硫黄−ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉で、体が芯から温まり、肌がすべすべに。どちらも広々としていて、開放感を味わえます。また「松風の湯」の横には貸切風呂もあるので、プライベート感を満喫するのもよいでしょう(有料)。
客室は、今年4月末に誕生したばかりの「スーペリアツインルーム」がおすすめ。窓の外には松林が望め、シンプルかつモダンなデザインで居心地のよさを感じます。食事は夕朝食ともにビュッフェで、新鮮なシーフードや野菜、漁師飯など、土地ならではのメニューを気軽に楽しめます。
日本でスリランカ式のアーユルヴェーダを体感する
昨年12月にオープンしたスパ「カルナカララホテルスパ鴨川店」では、スリランカ式のアーユルヴェーダメニューを体験できます。スリランカのニゴンボにある「カルナカララ アーユルヴェーダ スパ&リゾート」の系列店です。体験すべきメニューは「全身オイルトリートメント スタンダード」。スリランカにいるようなノスタルジックな空気感があふれる中、白湯を飲みながら、セラピストによる日常生活や体調に関するカウンセリングが行われます。
続いて数十種類のハーブやスパイスが配合された3つのブレンドオイルの中から、ゲストの体質やその日の体調に合ったオイルを選出。私は眼精疲労や睡眠不足を感じていたので、トリファラというオイルを使用することになりました。アーユルヴェーダで、人にはヴァータ(風)・ピッタ(火)・カパ(水)という3つのドーシャ(エネルギー)があり、優位なものがその人の体質となりますが、トリファラはすべてのドーシャバランスを整え、特に頭部の疲労を緩和してくれるそう。まずは椅子に腰かけた状態で、首や肩、ヘッドのオイルマッサージが行われます。その後ベッドへ移動し、お腹や胸を含む前面、続いて背面のマッサージが行われます。トリートメント後、視界がクリアになり、全身の重だるさも解消。温泉との相乗効果で、快適な眠りへと誘われるでしょう。
まとめ
梅雨の季節が終わると、灼熱の日々が訪れます。暑さによる体力の消耗に備え、心身のバランスを整えておきたいものです。世界最古の伝統医療であるアーユルヴェーダでは、定期的に心身をメンテナンスし、病気を予防することを重視しています。なんとなくすっきりしない日が続くなら気軽に鴨川へ。疲労から回復すれば、ポジティブなエネルギーが沸き上がり、夏を満喫する準備ができるはずです。
亀の井ホテル 鴨川
Kamenoi Hotel Kamogawa
千葉県鴨川市西町1137
℡ 04-7092-1231
宿泊:1名1室¥17,250~ 2名1室1名¥13,950~(夕朝食付き ともに税・サ込)
スパ:全身オイルトリートメント スタンダード 70分¥13,000(カウンセリング・体質診断付き 税・サ込)※休業のため、8月27日(日)まで
貸切風呂:1時間¥2,000(宿泊者限定 13:00~22:00 到着時に事前予約)
アクセス/JR安房鴨川駅から車で約5分。バス停「鴨川シーワールド」から徒歩約6分。
https://kamenoi-hotels.com/kamogawa/
トラベル&スパジャーナリスト
板倉由未子
Yumiko Itakura
『25ans』などの編集者を経て現職に。世界を巡り、土地に息づく癒やし、健康、食、文化をテーマに、各メディアで五感に訴える旅企画を提案&執筆。政府の国際機関や観光局、企業主催のセミナーなどでも、スピーカーを務める。また、イタリア愛好家としても知られ、『イタリアマンマのレシピ』(世界文化社刊)を構成&執筆。また、昨年11月から始まった日本政府観光局のグローバルキャンペーンでは、リラクゼーション分野の専門家として、日本の癒やしについて語っている。Expert Insights Go Deep Into Japan
photos:Yumiko Itakura